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準備金証明

別名 PoR · プルーフ・オブ・リザーブ

定義

準備金証明とは、トークンやプラットフォームの裏側にある資産が実際に存在することを独立した立場で確認するもので、理想的には誰でも検証できるよう継続的に公開されます。示すのはバランスシートの資産側であり、それだけで負債を証明したり、あらゆるリスクをカバーしたりするものではありません。

2022年11月、ある大手暗号資産取引所が破綻しました。そのバランスシートには、顧客が手遅れになるまで気づけなかった穴が開いていました。数週間のうちに、取引所やトークン発行体は次々と準備金証明を公開し始めました。考え方はシンプルです。資産があると信じてもらうのではなく、見せればよいのです。

準備金証明の仕組み

一般的な方法は3つあり、多くのプロバイダーはそれらを組み合わせています。

  • オンチェーン検証。資産が公開ウォレットに置かれていれば、誰でも残高を直接確認できます。プロバイダーは、どのウォレットが発行体のものかを確認します。多くの場合、発行体に各ウォレットの鍵でメッセージに署名してもらう方法がとられます。
  • オフチェーンのアテステーション。銀行、ブローカー、取引所に置かれた資産については、独立した事業者が明細書を確認したり、それらの機関のシステムに接続したりして残高を報告します。
  • 負債の証明。準備金が債務をカバーしていることを示すため、顧客残高のマークルツリーを公開する仕組みもあります。各顧客は、ほかの人の残高を見ることなく、自分の残高が含まれていることを確認できます。

準備金のデータは、Chainlink の Proof of Reserve のように、フィードとしてオンチェーンで公開することもできます。そうすればスマートコントラクトが自動的に反応できます。たとえば、準備金が供給量を下回った場合に新規トークンの発行を停止する、といった具合です。

シンプルな例

あるドルトークンの流通量が5,000万トークンだとします。その準備金証明のページには、名前の付いたウォレットや口座にまたがる5,040万ドル分の担保が1時間ごとに更新されて表示され、その隣にはブロックチェーンから直接読み取ったトークン供給量が並んでいます。保有者は2つの数字を比べ、掲載されたウォレットがオンチェーンの残高と一致しているかを確かめ、履歴をさかのぼって見ることができます。先週の火曜日に準備金が供給量を下回っていたなら、それも表示されます。

証明しないこと

  • ほかの負債。プラットフォームは主張どおりの資産をすべて持っていても、別のところに債務を抱えていることがあります。
  • 担保設定などの制約。資産が存在していても、貸し出されていたり、担保に差し入れられていたり、何らかの形で拘束されていたりすることがあります。
  • 質とアクセス。残高が示すのは何かが存在することであって、それを素早く満額で売却できることや、危機の際に手が届くことではありません。
  • 継続性。スナップショットが示すのはある一瞬です。確認日のために資産を借りてきて、その後に返すこともできます。月1回のアテステーションよりも継続的な報告のほうが多くを語るのは、そのためです。

読み方

誰が運営しているのか、そして発行体から独立しているのかを確かめましょう。更新の頻度と、履歴が見られるかどうかを確認してください。準備金は、マーケティング上の数字ではなく流通供給量と比べましょう。そして対象範囲を読んでください。どの資産、どのチェーン、どの口座が数えられていて、どれが数えられていないのかです。

リスクと限界

準備金証明は信頼の層のひとつであり、ほかの層の代わりにはなりません。スマートコントラクト監査、ランタイム監視、そして資産がどう使われているかについての明確な説明と組み合わせて機能します。トークンは、準備金のチェックをすべて通過していても、市場がパニックに陥ればデペッグすることがありますし、準備金の報告の質は、それが読み取るデータソースの質を超えることはありません。

Tori Finance での使われ方

Tori Finance は Accountable による準備金証明を tori.accountable.capital で公開しています。そこでは、USDC/USDT を担保とする Tori Finance の合成ドル trUSD の裏側にある準備金を、誰でも確認できます。あわせて、Sherlock と Nethermind によるスマートコントラクト監査、Hypernative によるランタイム監視も行われています。

よくある質問

準備金証明は何を示すのですか?

発行体やプラットフォームが保有していると主張する資産が、確認の時点で実際に存在すること、そして理想的には、それが流通しているトークンや残高と比べてどうなっているかを示します。

準備金証明はどのように確認すればよいですか?

誰が公開しているか、どのくらいの頻度で更新されるか、履歴が見られるか、準備金が流通供給量と比較されているかを確認しましょう。ウォレットが公開されている場合は、その残高をオンチェーンで確かめることもできます。

準備金証明があれば、トークンは安全ということですか?

いいえ。資産が存在することは示しますが、ほかの請求権から自由であること、売却しやすいこと、あらゆるリスクから守られていることまでは示しません。いくつかあるチェックのひとつとして扱いましょう。

関連用語

担保

担保とは、問題が起きたときに損失をカバーできるよう、ローンやトークンの裏付けとして差し入れられる資産です。DeFi では、その量と同じくらい種類、質、置かれている場所が重要で、価値が大きく下がるとスマートコントラクトが自動的に売却することがあります。

スマートコントラクト監査

スマートコントラクト監査とは、プロトコルのコードが公開される前、あるいは公開直後に、脆弱性を探すために行われる独立したセキュリティレビューです。明示された範囲と日付の中ではリスクを下げますが、コードにバグがないことを約束するものではありません。

ランタイム監視

ランタイム監視とは、プロトコルの稼働中のオンチェーン活動を継続的に見守り、不審なトランザクションが起きたその場で検知し、場合によっては阻止することです。ある時点のコードをレビューする監査を補い、コードが実際に何をしているかを見守ります。

デペッグ

デペッグとは、多くの場合1米ドルといった基準となる価値に連動するように設計されたトークンが、その価値から大きく離れて取引される状態を指します。よくある原因は、裏付け資産への疑念、急激な退出の殺到、薄い流動性、そして機能しなくなった仕組みです。

出典

Tori Finance チームが執筆しました。投資助言ではありません。利回りは変動し、元本を失うおそれがあります。